「入門!論理学」野矢茂樹(2006年、日本)

すこし唐突な言い方ですが、「哲学」です。 つまり、その学問の根本的なところ、その本質を、つかみとり、提示する。論理学ってけっきょく何なんだ。 何をやっているんだ。 <中略> 入門だからこそ、その根っこをつかまなければいけない。

 論理学の入門書。 「入門」と銘打ってはいますが、本書で特筆すべきは、「言葉」を扱う論理学の本質、具体的には論理学の目的や数学における立ち位置になどに着目している点です。 それらを噛み砕き、平易な言葉で説明がされているため、論理学を学ぶ意義、また論理学の面白さを知る入り口がうまく提示されているように感じました。

 論理学の基礎的な部分、「または」や「かつ」、「すべて」や「存在する」といった個々の要素をの意味を分解して説明を行うとともに、そこから導き出される命題論理から体系的に論理学を組み立てていく過程も説明されており、いままで漠然と記憶していた一つ一つの要素の、論理学という「学問」としての繋がりが朧気ながら見えてきました。

 論理学を学ぶ初学者だけでなく、論理学の基礎を学んだ初心者や中級者が、改めて論理学の意義や全体像を知るのに良い本だと思います。