「十角館の殺人」綾辻行人(1987年、日本)

十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)作者:綾辻行人講談社Amazon 「望むところさ。僕が探偵役を引き受けてやるよ。どうだい?誰かこの私、エラリィ・クイーンに挑戦する者はいないかな」 綾辻行人の館シリーズの第一作目。再読。 青屋敷――…

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」フィリップ・K・ディック(1968年、アメリカ)

SF

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?作者:フィリップ・K・ディック,浅倉 久志早川書房Amazon 「あなたってとっても優しい」エレベーターに乗りこみながら、ルーバがいった。 「人間たちには、とても奇妙でいじらしいなにかがあるのね。 アンドロイドなら、…

「国盗り物語(一)」司馬遼太郎(1965-1966年、日本)

国盗り物語(一)(新潮文庫)作者:司馬 遼太郎新潮社Amazon (しかしおれには、天禀の武略がある) そう信じている。 その才能を試したかった。というより、自分の一生の運を占うつもりであった。 戦国の世、牢人から国主へと成り上がっていく松波庄九郎(…

「クリムゾンの迷宮」貴志祐介(1999年、日本)

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)作者:貴志 祐介KADOKAWAAmazon 火星の迷宮へようこそ。 藤木芳彦が目覚めると、そこは見知らぬ紅の世界だった。 傍らに置かれていたゲーム機を起動すると、そこには「火星の迷宮へようこそ」というメッセージが。 そして、…

「水使いの森」庵野ゆき(2020年、日本)

水使いの森 (創元推理文庫)作者:庵野 ゆき東京創元社Amazon ミミはこの時はっきりと悟った。自分はきっと水の神に呼ばれたのだと。 この西の最果ての地で、タータという師に出会うために。 雷、風、土、火、光、この世に存在するありとあらゆる力を使いこな…

「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティ(1939年、イギリス)

そして誰もいなくなった (クリスティー文庫)作者:アガサ・クリスティー,青木 久惠早川書房Amazon 小さな兵隊さんが一人、あとに残されたら 自分で首をくくって、そして、誰もいなくなった 言わずとしれたミステリの古典的名作。 孤島に招待された十人の男女…

「厭魅の如き憑くもの」三津田信三(2006年、日本)

厭魅の如き憑くもの 刀城言耶シリーズ (講談社文庫)作者:三津田信三講談社Amazon 谺呀治家は憑き物筋の家柄で黒、神櫛家は非憑き物筋の家柄で白――なんていうように、白黒をはっきり決められることなど、実は世の中には少ないと思うんだ 憑き物筋の谺呀治家、…

「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」歌野晶午(2007年、日本)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)作者:歌野晶午講談社Amazon だが、彼らが行っているゲームは、いま挙げた既存のミステリー・エンターテインメントとは、一つの、しかし決定的な違いがあった。 彼らは仮想の殺人事件を推理しているのではなかった。 …

「蠱猫」化野燐(2005年、日本)

蠱猫 人工憑霊蠱猫 (講談社文庫)作者:化野燐講談社Amazon その”場”から生まれたモノは、認識されるだけでなく、人にさまざまな影響まで与えるようになる。 それを人為的にコントロールしたのが、人工憑霊。 人の心の奥底の無明の闇から生まれたモノよ。 鬼神…

「宇喜多の捨て嫁」 木下昌輝(2014年、日本)

宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)作者:木下昌輝文藝春秋Amazon 八郎よ、もしこの時、お前が真実を母に話していたならば、お前は梟雄とはならずに済んだかもしれない。 (「無想の抜刀術」) 戦国時代の梟雄、宇喜多直家を描いた歴史小説。 ときに己の娘をも利用し…

「烏に単は似合わない」阿部智里(2012年、日本)

烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)作者:阿部 智里文藝春秋Amazon だから、私はここにいるのね。 双葉に、この琴は弾けない。だから、ここにいるのは、自分なのだ。これは偶然ではないと、あせびは悟った。 ここが、私を呼んだのだ……。 それまで、…

「ぼっけえ、きょうてえ」岩井志麻子(1999年、日本)

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)作者:岩井 志麻子KADOKAWAAmazon 死の予感より真っ黒な何かが背後から迫っていた。 闇にも濃度がある。明るい順に空、人家、山脈、道。最も濃いのが人だ。 松明を掲げて提灯を下げていても不吉な影法師だ。 ……それは、…

「読書力」齋藤孝(2002年、日本)

読書力 (岩波新書)作者:齋藤 孝岩波書店Amazon 読書を核とした向学心や好奇心が実に重要なものだと思えてくるのである。 自己形成のための読書について論じた本。一つの考え方に固執せず、柔軟な思考を磨くために、読書が重要であると著者は論じています。 …

「入門!論理学」野矢茂樹(2006年、日本)

現代論理学入門 (岩波新書)作者:沢田 允茂岩波書店Amazon すこし唐突な言い方ですが、「哲学」です。 つまり、その学問の根本的なところ、その本質を、つかみとり、提示する。論理学ってけっきょく何なんだ。 何をやっているんだ。 <中略> 入門だからこそ…